カムイ伝
いま、カムイ伝を読んでいます。
ご存知の方も多いと思いますが、白土三平の漫画です。
私も、名前は知っていたし、映画にもなっていて話題でしたよね。
どうしてこの漫画を読もうと思ったかというと、
新聞の記事なんですが、
うろ覚えですが、
大学の授業で教材として使っているということに興味を引かれました。
江戸時代の社会、風習を学習するのに良い教材だったとかいう内容だったような。
実際に読んでみて感じたのは、江戸時代はなんという階級差別の社会なのか・・・と言うこと。
それから、農民はなんと身分が低かったかということ、
しかし、さらにはそのしたの非人とよばれる人たちがいたということです。
物語は、非人出身のカムイとカムイを取り巻く人々のことを描きながら展開して行きます。
同時に、動物であるオオカミにおける階級社会を象徴的に描きながら、
農民、武士、非人そして忍び(忍者)などの物語が複眼的に組み合わされています。
目を見張るのは、非人とよばれる人々の生活です。
死んだ家畜の皮をはぎ、内蔵を食す。
日々の糧は、物乞いで得る。
非人だからという理由で、差別され、虐げられ、
けれど、そこから出る方法はない。
だれもが自分の立場に甘んじ、
非人を差別する農民は、庄屋に搾り取られ、武士に差別され、
武士は武士の中の階級に苦しむ。
だれが、誰に向かって行けば状況が打開されるのか。
それが果てしなくとおく、見えなかったのがこの時代の階級差別だったのではないでしょうか。
けれど、そんな暗い社会状況が漫画に描き続けられるのではなくて、
この漫画が痛快で面白いのは、
カムイという少年がこの社会の取り決めをかるがると飛び越えて行くということです。
百姓に歯向かう、かといって、百姓との友情もはぐくむ。
非人の部落を抜けて、忍びの修行を積む中で、
ある武士に出会う。
そして、ときには武士を助ける。
カムイの、自分の出身に係らない強さとしなやかさにほれぼれしてしまうのです。
それから、農民の社会も丹念に描かれていて興味深いです。
農民社会の中にも階級があった。
農民社会の階級を乗り越えて行くのは、正助という少年です。
正助は、農民に禁じられていた文字を学びます。
そして、農民に不当に課せられていた取り立て(お米)をあばいて行きます。
賢くて、かっこいい正助にほれぼれします。
やがて正助の能力が認められ、農地を持っていなかった正助は、
本百姓といわれる農地を持つ百姓に昇格します。
この場面は、感動的で、
まだ幼さの残る正助が、庄屋に昇格を許され、
条件のいいとは言えない畑を前に小躍りします。
それをみていた正助の父親やその仲間が、
「いつか自分が本百姓になったときに播こうと思ってこつこつためた籾だ」
と、一袋の籾を正助に手渡します。
お米づくりをしている私達。
はたして、一粒の籾をどれほど大切に見つめていただろうか、
と自省させられました。
百姓にとって、籾、種は本当にいのちだったのですね。
カムイ伝は、めちゃめちゃ長い漫画で、
わたしは図書館で借りて読んでいるのでまだまだ終わりそうにありません。
ゆっくり、読み進めて行きたいと思います。
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